重役風情の痩せた老人
雫井 脩介「火の粉 (幻冬舎文庫)」に収録 ページ位置:6% 作品を確認(amazon)
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老人
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前後の文章を含んだ引用
......しているという話を一通り終えたところで、勲は残りの時間を聴講生からの質問にあてることにした。 まばらに遠慮がちな手が挙がり、教務課の職員がマイクを持っていく。 重役風情の痩せた老人がマイクをもらって頭を下げた。「大変興味深い話を拝聴させて頂きました」低い声で慇懃に話し始める。「判事さんというのは、いくつもの裁判をかけ持ちで進めておられると......
単語の意味
風情(ふぜい)
風情・・・自然とかもし出される(いい)雰囲気。その場の風景から自然と感じられる、なんとなく上品で美しい雰囲気。趣(おもむき)。味わい。「風」も「情」も「趣(おもむき)」を意味する字。
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老人の表現・描写・類語(中年・老人のカテゴリ)の一覧 ランダム5
(黄ばんだ顔をした老人は、)二級品のミイラのようなひからびた相貌の男だった
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 3 amazon
髪も薄く白く、 土気色 の肌に、はっきり刻まれた皺
山田太一「飛ぶ夢をしばらく見ない」に収録 amazon
博士は六十四歳の、数論専門の元大学教師だった。見た目は実際の年齢よりもやつれていた。単に老けているだけではなく、身体の隅々にまできちんと養分が行き渡っていない印象を与えた。ひどい猫背のために一六〇センチほどしかない身長はますます小さく見え、骨張った首筋には皺の間に垢がたまり、ぱさついて好き勝手な方向に跳ねる白髪が、せっかくの福耳を半分覆い隠していた。声は弱々しく、仕草はスローモーで、何をするにもこちらの予想の二倍の時間が掛かった。
小川洋子「博士の愛した数式 (新潮文庫)」に収録 amazon
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「中年・老人」カテゴリからランダム5
(老化)ある年齢を過ぎると、人生というのはものを失っていく連続的な過程に過ぎなくなってしまいます。《…略…》肉体的な能力、希望や夢や理想、確信や意味、あるいは愛する人々、そんなものがひとつまたひとつ、一人また一人と、あなたのもとから消え去っていきます。《…略…》あなたはもうそろそろ三十歳になる。これから少しずつ、人生のそういう黄昏{たそが}れた領域に脚を踏み入れようとしておられる。それが、ああ、つまりは年をとっていくということです。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 2 amazon
こんな若い人達ばかりの間に混って芝居なんかしているのが、気の毒に思えて仕方がなかった。
林芙美子 / 新版 放浪記
長い人生の労苦に唯々うちひしがれて、今にも吹き散りそうな弱々しい顔
円地文子 / 円地文子集(老桜) amazon
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