彼は単に才能に恵まれただけでなく、数ある才能の中でも、特に 良いもの に当たったのだった。
平野 啓一郎「マチネの終わりに (文春文庫)」に収録 ページ位置:1% 作品を確認(amazon)
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天才・秀才
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......リ国際ギター・コンクールに出場して優勝し、鳴り物入りのデビューを飾って以来、蒔野の演奏は、常に危なげなく安定していた。二十年という年月を経てみてわかったことは、彼は単に才能に恵まれただけでなく、数ある才能の中でも、特に良いものに当たったのだった。 蒔野の演奏を聴いていると、しばしば人は、息をすることを忘れてしまった。そのあまりの完璧主義に、「聞き流すことができない」とよく評されたが、これは必ずしも褒め言......
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天才・秀才の表現・描写・類語(才能・技量のカテゴリ)の一覧 ランダム5
(若き天才ギタリスト)舞台上には、ギターという楽器の進化の系統樹の一番太い幹の先端があり、しかもそれが、弦と共に振動しながら、今にも目に見えて伸びてゆこうとしている。なかなかのハンサムで、背が高く、スター性も十分だった。
平野 啓一郎「マチネの終わりに (文春文庫)」に収録 amazon
ショックだった。『ああ、天才!』って、それはもう、人を落ち込ませるくらい。こんな人がいるんだって。
平野 啓一郎「マチネの終わりに (文春文庫)」に収録 amazon
現在の日本の洋画家には天分というものが全くない。彼らは徒らに乏しい才能を濫作によって摺りへらしているのであり、その才能もせいぜい他の森林から落葉を搔き集めて運んでいるような借りものである。 しかし、小坂田二郎は、そうした才能の森林の奥深いところにどっしりと構えていて、みずからの若葉を尽きるところなくつみ取っている天才的画家である。
松本 清張 / 美の虚像「松本清張ジャンル別作品集(3) 美術ミステリ (双葉文庫)」に収録 amazon
天才は元来嚢中(のうちゅう)の錐(きり)のようなものですから、何(ど)の道へ入っても、必ず現れて参ります。
佐々木 邦 / ガラマサどん amazon
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いきなり傑作をひっさげて闇の中からぬっと登場する天才
池澤 夏樹 / シネ・シティー鳥瞰図 amazon
(頭が良すぎて時々ついていけない)脳内にはおそらく、彼の思考スピードに合わせてこしらえられた高速サーキットのようなものがあり、彼は時々そこで本来のギアを使った走行を一定時間こなさなくてはならないのだろう。そうしないと──つくるの凡庸なスピードにつきあってローギア走行を続けていると──彼の思考システムは過熱し、微妙な狂いを見せ始めるのかもしれない。そんな印象があった。しばらくすると灰田はそのサーキットから降りて、何ごともなかったように穏やかな笑みを浮かべ、つくるのいる場所に戻ってきた。そして速度を緩め、またつくるの思考のペースに合わせてくれた。
村上 春樹 / 色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 amazon
地域のダストボックスと呼ばれている稲野原高校の生徒
あさの あつこ「ガールズ・ブルー (文春文庫)」に収録 amazon
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