おびえて私の手をぎゅうと握った弟の手
吉本 ばなな「アムリタ(下) (新潮文庫)」に収録 ページ位置:30% 作品を確認(amazon)
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怯える
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前後の文章を含んだ引用
......めったに触れ得ないことだ。そこの見えない深い淵や、サングラスをかけずに太陽を直視することに似ている。 その歌は永遠に続くように思えた。 一瞬のようにも思えた。 おびえて私の手をぎゅうと握った弟の手と、何もかもを見てやる、記憶してやるという意志に支えられた竜一郎の横顔だけを断片的におぼえている。 コズミくんは、気配を消していた。 そのこともおぼえている。 ......
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