騙し続けているという意識は、次第に彼女の自己嫌悪を膨らませていった。
平野 啓一郎「マチネの終わりに (文春文庫)」に収録 ページ位置:73% 作品を確認(amazon)
この表現が分類されたカテゴリ
罪悪感・後ろめたい・良心の呵責
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......ではなく、言わば純粋な愛から、ひたすら彼に尽くし、彼のためにその恩師と娘家族のために尽くしてきた三谷早苗だった! 彼女は何よりも、その発覚を恐れていた。そして、騙し続けているという意識は、次第に彼女の自己嫌悪を膨らませていった。 早苗は結局、あの罪の夜に突如として閃いた自己弁護へと立ち戻らざるを得なかった。──つまり、罪の総量という考え方だった。 一生涯、完全に無垢なまま生き続けられる......
ここに意味を表示
罪悪感・後ろめたい・良心の呵責の表現・描写・類語(悔やむのカテゴリ)の一覧 ランダム5
このカテゴリを全部見る
「悔やむ」カテゴリからランダム5
いまでも、最後に彼女がそう言ったときの小さな笑みを、ときどき思い出す。その笑みが心の右はじあたりに小さな痛みとして住み着いて、雨の日にはまるで古傷のように顔を出す。 でもよく考えたら、僕の心にはそんな小さな痛みがたくさんある。その小さな痛みのことを、人は後悔と呼ぶのだろう。
川村 元気 / 世界から猫が消えたなら amazon
坩堝(るつぼ)の中の白金のように、溶けがたいせつない懺悔がのこる
中 勘助 / 菩提樹の蔭―他2編 amazon
同じカテゴリの表現一覧
悔やむ の表現の一覧
感情表現 大カテゴリ