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骨を切る音が鈍く響いて、横にいだ太刀の光が、うすやみをやぶってきらりとする。
芥川龍之介 / 偸盗 ページ位置:58% 作品を確認(青空文庫)
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刃物(ナイフ・剣・刀)
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......りかざした侍の一人が、急に半身を後ろへそらせて、けたたましい悲鳴をあげたと思うと、次郎の太刀は、早くもその男の脾腹ひばらを斜めに、腰のつがいまで切りこんだのであろう。骨を切る音が鈍く響いて、横にいだ太刀の光が、うすやみをやぶってきらりとする。――と、その太刀が宙におどって、もう一人の侍の太刀を、ちょうと下から払ったと見る間に、相手はひじをしたたか切られて、やにわにもと来たほうへ、敗走した。それを次郎が追......
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