彼の声は穏やかな波を保ったまま、部屋の四隅に溶け出してゆく。
小川洋子 / 揚羽蝶が壊れる時「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 ページ位置：21% 作品を確認（amazon）
この表現が分類されたカテゴリ
柔らかい声・優しい声
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......ルテに書き込まれてゆくのだろう。「ですから、食事も自分からは食べようとしないんです。」「すると、あなたが全部食べさせていらしたのですか。それは御苦労でした。」 彼の声は穏やかな波を保ったまま、部屋の四隅に溶け出してゆく。彼女が最後に自分で食べ物を口に入れたのは、もうかなり前のような気がする。夏の初め頃、大学から帰ったわたしは、玄関と縁側の窓が開けっ放しでテレビもついているのに、......
ここに意味を表示
柔らかい声・優しい声の表現・描写・類語（声・口調のカテゴリ）の一覧 ランダム５
湿った絹糸のような優しい声
獅子 文六 / てんやわんや amazon
半熟たまごのようにやわらかい声
朝井 リョウ / 僕は魔法が使えない「もういちど生まれる (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
鳥がうたうような、まるみのある声音
司馬 遼太郎 / 最後の将軍―徳川慶喜 amazon
彼の声は穏やかな波を保ったまま、部屋の四隅に溶け出してゆく。
小川洋子 / 揚羽蝶が壊れる時「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
このカテゴリを全部見る
「声・口調」カテゴリからランダム５
（不思議な感覚を引き起こす歌のようなもの）あれは、歌じゃない。もっと丸ごとのものだ。《…略…》それを歌の次元に翻訳してぶつけてくるのだ。
吉本 ばなな「アムリタ（上） (新潮文庫)」に収録 amazon
同じカテゴリの表現一覧
声・口調 の表現の一覧
感情表現 大カテゴリ
感覚表現 大カテゴリ
人物表現 大カテゴリ
