愉快にならずにいられない

大喜悦の体（てい）である。

愉快すぎて大きな声で叫びたくなる

激しい喜びが心に湧き起こる

喜びで世の中が明るくなった気がする

嬉しすぎて喜びを隠せない

震えるような喜び

襟元からぞくぞくするほど嬉しい

有頂天な心持ちになる

喜びに興奮する

（幸福とは）道端にはしきりにそこいら中の人を呼びとめて「幸福とは何だと思いますか」と必死にたずねている人達がいた。《…略…》しかしそのおかげで、急ぐ私の心には一瞬、幸福を想う残像がすーっと桃色の尾をひいた。幸福をうたういくつかの名曲のメロディーも、次々と心に流れたような気がした。 　しかし、と私は思った。 　決して届かないふうなところに、もっと強く金色に光るイメージがあって、みんなが本当に欲しいのはそれなような気がする。希望とか、光とかを全部集めたよりももっと強烈なもの。 　それは、駅前で幸福についてたずねているとどんどん逃げていってしまい、お酒を飲みすぎるとぐんと近づいてきて、あたかも手に取れそうに思えるもの。

満足を感じる

格別の満足感

その風景の中には、永遠に通じる力強さがあった。ぼんやりとそれを見ていると、本人には決して言わなかったが、幸福だった。

あんまり幸福なせいか、かえって淋しくて仕様がない。

心は奇妙な喜びにふくれ上る。

喜びに興奮する

喜び続ける

熱心な喜び

この上ない喜び

喜びが込みあげる

和らいだ喜びが沸く

皮膚の下から喜びが照りだす

胸に喜びが兆し、次第に強固な根を張る

顔には、秘密な喜びが、おりから吹きだした明け近い風のように、静かに、ここちよく、あふれて来る。

普段は瓜実顔のいい輪郭だが、笑うと下膨れになる

喜びが電流のように全身を通り抜ける

唇が笑いを形作って

限りない喜びに満ちる

身慄（みぶる）いが出るほど嬉（うれ）しくなる。