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(彼女の)視線はわたしをすり抜けて、過去の時間をなぞっているように見えた。
小川洋子 / 揚羽蝶が壊れる時「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 ページ位置:9% 作品を確認(amazon)
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思い起こす・記憶をたどる
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前後の文章を含んだ引用
......を見た。出掛ける時に持っていたはずの買物篭も杖も淑やかさも清潔さも正常さも、見当たらなかった。「どこに置いてきたの。」 わたしは両膝をついて彼女に顔を近づけた。視線はわたしをすり抜けて、過去の時間をなぞっているように見えた。土の粒子がわたしの膝に食い込んできた。行き着く所のない疑問形が二人の間で淀んでいた。彼女の指先は青臭い汁に染まっていた。答えを探していた表情が、次第に彼女自身の......
単語の意味
視線(しせん)
視線・・・目と、目が見ようとしているモノとを結ぶ線。目が見ている方向。見つめている方向。
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記憶を探る。ここに来る前になにをしていたのか、なんとか思い出そうとする。するとやがて、その端っこに指が触れる。
新海 誠「小説 君の名は。 (角川文庫)」に収録 amazon
信じていていいと言ったあのひとの言葉が胸に来る。
林芙美子 / 新版 放浪記
天吾は息を止め、こめかみに指を当てて記憶をより深いところまでのぞき込もうとした。その今にも切れてしまいそうな意識の細い糸をたどっていった。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 2 amazon
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山田 詠美
夕暮れの一ときが、いまでもくっきりと映画の一卜こまを見るように瞼のうちに浮ぶのである。
森田 たま / もめん随筆 amazon
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