右の人指しゆびで小鼻を撫 でて、撫でた指の頭を机の上にあった吸取 り紙 の上へ、うんと押しつける。吸い取られた鼻の膏 が丸 るく紙の上へ浮き出した。
夏目漱石 / 吾輩は猫である ページ位置:68% 作品を確認(青空文庫)
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あぶらとり紙
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前後の文章を含んだ引用
......思ったら「いやこれは駄目だ」と当人も気がついたと見えて早々 やめてしまった。「なぜこんなに毒々しい顔だろう」と少々不審の体 で鏡を眼を去る三寸ばかりの所へ引き寄せる。右の人指しゆびで小鼻を撫 でて、撫でた指の頭を机の上にあった吸取 り紙 の上へ、うんと押しつける。吸い取られた鼻の膏 が丸 るく紙の上へ浮き出した。いろいろな芸をやるものだ。それから主人は鼻の膏を塗抹 した指頭 を転じてぐいと右眼 の下瞼 を裏返して、俗に云うべっかんこうを見事にやって退 けた。あばたを研究しているの......
単語の意味
小鼻(こばな)
小鼻・・・鼻の穴の外側の丸くふくらんでいる部分。鼻柱の左右のふくらみのところ。鼻翼(びよく)。
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蘆雪の群猿図は奔放でいかにも蘆雪らしく、八枚の右の二枚は構図からも描法からも、 為事 を投げ出してしまったような露骨な 破綻 を見せていた。
直哉, 志賀「暗夜行路 (新潮文庫)」に収録 amazon
テレビン油のような香 いがぷんぷんするのでそれがきょうの新聞である事がすぐ察せられた。
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