(別れて)ひとりで道を歩いていると、もう広田さんが恋しかった。別れがたかったんだ、と私は自分の淡い恋のような気持ちを自覚した。
よしもとばなな / 銀の月の下で「まぼろしハワイ」に収録 ページ位置:43% 作品を確認(amazon)
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前後の文章を含んだ引用
......とりは大好きなんですが、さっき急にひとりになって、少し淋しかったんです。嬉しかった。」 広田さんは照れて少し笑った。サングラスの奥の目が月のように細くなった。 ひとりで道を歩いていると、もう広田さんが恋しかった。別れがたかったんだ、と私は自分の淡い恋のような気持ちを自覚した。でもこの気持ちはどこへも行かない、それを私は知っていた。 たとえば人に恋をする、そばにいたいと思う。少しでも一秒でも。それを私は同棲や結婚と結びつけたりしない。......
単語の意味
淡い(あわい)
淡い・・・味や色や香りなどが薄い。光や形がぼんやりしている。
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