その時わたしは、自分がどれほど野呂という男を愛し、欲しがり、自分だけを見ていてほしいと願っていたか、はっきりと知った。認めた。 　理由などどうでもいい。彼はわたしの人生そのものだったのだ。

恋って発狂することだもん。《…略…》伊吹の「好き」は私と全然違う。私みたいに発情した身体を持て余してもいなければ、狂った独占欲が破裂するわけでもない。

燃えて燃えて燃え尽きるほどの恋愛

サユリと出会って以来、ずっと続いている微熱。

会えない時でもつながっていたいと願う気持ちが強すぎて、胸が熱く張り裂けそうになった。

（鉄柱に縛りつける）背筋の先端に大きな関節を一つポコンと露（あら）わに見せていた。

彼と結婚できたら私は夫を見張り続ける看守の花嫁になる。

束縛ではなく、子供じみた所有欲

鎖から解き放さずにおく

十和子がどこにいて何をしているか、陣治は異常なほど把握していたがる。

抱きつかれてキスされて、キスを返した。

女心はシャワーのこのお湯みたいなもの。あるときは冷たく、またある時は火傷をするくらい熱く、そしてそれは高いところから低いところへ自然の法則に任せて、私のことを待っているあの人のところへ流れて行く。

唇と唇が溶接したようにしっかりとくっつく

「シンイチ好き」 　サユリがそう 囁くのと同時にシンイチは鋭い叫び声を上げた。それが、今までの沈黙と反比例するほどに大胆であったため、もう死人のふりができなくなった。彼女は天を振り仰ぐシンイチの 顎 を見上げながら、雨乞いの儀式を思い浮かべた。 　荘厳だわ。サユリの目は感動のために 潤んだ。これはファックではないわ。これこそメイクラブというものなんだわ。彼女はシンイチの体をもう一度撫でた。ミサ曲が流れてもおかしくはないおごそかな雰囲気がベッドのまわりに漂っていた。

私たちは不倫からスタートして結婚した、たった５％ のうちの一組ということになる。