柳の青い幹に電灯の導線をくねらせて並んで出ている夜店が、縁日らしいくだけた感じを与えた。
岡本かの子 / 母子叙情 ページ位置:45% 作品を確認(青空文庫)
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前後の文章を含んだ引用
......煙草を喫 ってから、見残した芝居の幕のあとを見届ける気持で、半町ほど距 った人混の中のかの女を追った。 銀座の西側に較 べて東側の歩道は、東京の下町の匂 いが強かった。柳の青い幹に電灯の導線をくねらせて並んで出ている夜店が、縁日らしいくだけた感じを与えた。込み合う雑沓の人々も、角袖 の外套 や手柄 をかけた日本髷 や下町風の男女が、目立って交っていた。 人混を縫って歩きながら夜店の側に立ち止ったり、青年の進み方は不規則で......
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夜の縁日というものは、別に〔歳時記〕できめられたわけではないけれども、やはり、初夏から晩夏にかけての感じがする。
池波 正太郎「食卓の情景 (新潮文庫)」に収録 amazon
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負傷者の血と全員の汗の臭いが混じり、奇妙な臭気を醸し出している。だが誰一人としてそれが気にならない。
拓殖久慶 / ラオス内戦 amazon
(里帰り)ああ、何もかもに負けてしまった。東京を遠く離れて、青い海の上をつっぱしっていると、色々に交渉のあった男や女の顔が、一ツ一ツ白い雲の間からもやもやと覗いて来るようだ。
林芙美子 / 新版 放浪記
ただの箱と化していく部屋を見ていると、それまで呼吸していた部屋が死んでいくようにも思えた。
又吉直樹「劇場(新潮文庫)」に収録 amazon
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