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洲の中の環虫類 を糸にたくさん貫 いて、数珠輪のようにして水に垂らす。蘆の根方に住んでいる小鰻 がそれに取りつく、環 をそっと引き上げて、未練に喰い下って来る小鰻を水面近くまでおびき寄せ、わきから手網 で、さっと掬 い上げる。
岡本かの子 / 渾沌未分 ページ位置:43% 作品を確認(青空文庫)
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前後の文章を含んだ引用
......が潤沢 だった。下 げ汐 になった前屈 みの櫓台の周囲にときどき右往左往する若鰡 の背が星明りに閃 く。父はあまり遠くない蘆の中で、カンテラを燃して数珠子釣りをやっている。洲の中の環虫類 を糸にたくさん貫 いて、数珠輪のようにして水に垂らす。蘆の根方に住んでいる小鰻 がそれに取りつく、環 をそっと引き上げて、未練に喰い下って来る小鰻を水面近くまでおびき寄せ、わきから手網 で、さっと掬 い上げる。環虫類も何だか虫の中では醜 い衰亡者 のように思えるし、鰻だとて、やはり時代文化に取り残されたような魚ではないか。衰亡の人間が衰亡の虫を囮 につかって衰亡の魚を捉 えて......
単語の意味
葦・蘆・葭(あし)
環虫類(かんちゅうるい)
葦・蘆・葭・・・水辺に生える草の一種。沼や川の岸に群がって生える。若芽は食用になり、茎は編んですだれを作る。
環虫類・・・体がひものように長くて、たくさんの環節(かんせつ)からできた動物の総称。ミミズやヒルなど。環形動物(かんけいどうぶつ)。
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とりもちで取るように魚が釣れる。
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