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(釣られた)フグはおのれの不注意を口惜しむように精いっぱい腹を張って憤る。
阿刀田 高 / 捩れた夜「ナポレオン狂 (講談社文庫)」に収録 ページ位置:11% 作品を確認(amazon)
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ふぐ
魚釣り・釣り人・フィッシング
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前後の文章を含んだ引用
......と、もうそこに海があった。潮の具合いのいいときには岩陰にうずくまって手作りの粗末な竿を波のうねりに差す。メバル、チヌ、アジ、メジナ、おもしろいほどによく釣れた。フグはおのれの不注意を口惜しむように精いっぱい腹を張って憤る。グイグイと糸を引くので、それ大物とばかりに引きあげてみれば、小エビが一匹、半透明の腰をピクリと打って渦の中にのがれた。そして名も知らない小魚たち。その鱗の輝きが......
単語の意味
惜しむ(おしむ)
腹(はら)
河豚・鰒(ふぐ)
憤る(いきどおる)
惜しむ・・・残念に思う。もったいないと思う。
腹・・・1.ヒトなど動物の、胴の下半部の前面と考えられる側。背(せ)の反対側の部分。また、その内側にある内蔵。
2.(腹の内面にあるものとして)心。考え。感情。気持ち。また、度量や度胸、気力もいう。
3.物の中央の膨らんだ部分。「指の腹」「銚子の腹」など。
4.背に対して、物の内側の部分。
2.(腹の内面にあるものとして)心。考え。感情。気持ち。また、度量や度胸、気力もいう。
3.物の中央の膨らんだ部分。「指の腹」「銚子の腹」など。
4.背に対して、物の内側の部分。
河豚・鰒・・・フグ科の海水魚。多くは体は太り、背びれは小さくて鱗(うろこ)はほとんどない。怒ると腹が大きくなる。食用で冬が旬。肉は淡泊でうまいが、内臓などに毒を持つものも多い。音が「不遇」「不具」と似ているため、縁起よく「ふく(福)」と呼ぶ地域もある。古名で「ふくべ」ともいう。
憤る・・・1.怒る。腹を立てる。憤慨する。
2.思いが胸につかえる。心が晴れない。不満をいだく。
2.思いが胸につかえる。心が晴れない。不満をいだく。
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