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母もまた、なにか物言いたげな表情を浮かべていた。なにか言おうとしてはやはりやめて、野菜を口に入れた。ひと口ごとに言葉をのみ下すような感じだった。
吉本ばなな / うたかた「うたかた/サンクチュアリ」に収録 ページ位置:85% 作品を確認(amazon)
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言葉を飲み込む・言いかけてやめる
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前後の文章を含んだ引用
......して、母はそのまま仕方なくきゅうりを切りはじめた。 その日の夕食のメニューにとってつけたように加わった野菜サラダの味を私は一生忘れられないと思う。重い味だった。母もまた、なにか物言いたげな表情を浮かべていた。なにか言おうとしてはやはりやめて、野菜を口に入れた。ひと口ごとに言葉をのみ下すような感じだった。そして、ごちそう様と言った時、ちょっとにこっと笑った。 翌日、外の電話ボックスから嵐にコレクトコールをかけたら、父が出てしまった。「なんだ、嵐に用か。」 と言っ......
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(言いたいことを言わずに相手の話を聞く)うん。うん。一回ずつ頷くたびに、選択するべきだった正しい言葉たちが、自分から振り落とされていくような気がした。
朝井 リョウ「武道館 (文春文庫)」に収録 amazon
黒崎はすでに死んでいるかもしれない。そのことを言ってしまいたいという衝動を、歯を噛みしめて押しとどめる。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
(何を言っても誰も)自分の今の心を理解してくれまいという気持が、言いかけた言葉を 咽喉 に押しもどした。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
彼は 喉元 まで出かかったものを再びぎゅっと押しとどめた。
宮本 輝「道頓堀川(新潮文庫)」に収録 amazon
ぐっと癪 に触 った。しばらく黙っていたが、跳 ね返す警句を思いつく気力もなく
岡本かの子 / 渾沌未分
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(連絡がない)電話のベルも鳴らず、手紙も届かなかった。ドアをノックするものもなく、くうくうと鳴く賢い伝書鳩も飛んでこなかった。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 2 amazon
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