(久しぶりのビリヤード)革箱から玉を出し、軽く突いてみた。キューを伝わって、 懐しい弾力が肩のつけ根まで響いてきた。
宮本 輝「道頓堀川(新潮文庫)」に収録 ページ位置:91% 作品を確認(amazon)
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前後の文章を含んだ引用
......た。武内はキューを持ち、がらんとした玉突き場を見渡した。それから二、三度キューをしごいてみた。力加減さえ思い出せたら、いまでも誰にも負けないという自信があった。革箱から玉を出し、軽く突いてみた。キューを伝わって、懐しい弾力が肩のつけ根まで響いてきた。「スリークッションか? 俺は何でもええんやでェ」 と息子に念を押した。 政夫が軽く頷いてキューの先にチョークを塗りつけている表情を盗み見ながら、武内は吉岡から小......
単語の意味
玉・珠(たま)
玉・珠・・・1.丸いもの。丸くまとめられたもの。ボール。
2.丸い宝石や真珠。
2.丸い宝石や真珠。
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薄暗い地下室の中で、玉台に敷きつめられたフェルトの緑色が強く目に沁みた。玉と玉のぶつかり合う音が、玉台のまわりを歩き 廻る二人の足音に重なって、大きく小さく響き合っていた。それは曇り空の下にひろがる長方形の暗い草原の中から、どうにかして逃げだそうとあがいている血塗られた小動物のように見えた。逃げだそうとしては何度も跳ね返され、赤玉によって寄りそわされたり、離ればなれにさせられたりしながら、白い二つの小動物は、全速力で走ったかと思うと突然その場にとどまって息を整えるのである。
宮本 輝「道頓堀川(新潮文庫)」に収録 amazon
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隣の台でナインボールに興じている若者が、渾身の力をこめてブレイク・ボールを撞き(つき)出す。乾いた破裂音があたりに満ち、小さな歓声が続く。
原田宗典 / ミズヒコのこと「しょうがない人」に収録 amazon
ゲレンデで鴨のようによちよち滑る
大仏 次郎 / 雪崩 (1953年) amazon
鉄アレイのような形をしたバンカー
村上 春樹「1973年のピンボール (講談社文庫)」に収録 amazon
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