どこからか入り込んだ小さな蛾が風に揺られる紙片のようにひらひらと漂っていた。
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 ページ位置:65% 作品を確認(amazon)
この表現が分類されたカテゴリ
蛾(が)
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......ルを飲み、バッグの中からいくら弁当を出して食べた。 彼女は向いの席で腕を組んで眠っていた。窓から射し込む秋の朝の太陽が彼女の膝に薄い光の布をそっとかぶせていた。どこからか入り込んだ小さな蛾が風に揺られる紙片のようにひらひらと漂っていた。蛾はやがて彼女の乳房の上にとまり、しばらくそこで休んでから、またどこかに飛び去っていった。蛾が飛び去ったあとでは、彼女はほんの少しだけ年老いたように見えた。 僕......
単語の意味
蛾(が・ひひる・ひむし)
蛾・・・鱗翅目(りんしもく[=ガやチョウなど])の昆虫のうち、蝶以外のものを総称。止まった時の羽が水平になる、口先がらせん状になっていないなどで蝶と区別する。ただし、生物学的には明確な違いはない。主に夜活動する。きわめて種類が多く、日本だけで5000種ほどいる。「ひひる」「ひむし」はガの古称。特に、蚕(かいこ)のものをいう。
ここに意味を表示
蛾(が)の表現・描写・類語(昆虫・虫のカテゴリ)の一覧 ランダム5
枯葉のように散ってゆく蛾もあった。
川端 康成 / 雪国 (新潮文庫 amazon
拳でどんと叩くと、木の葉のようにぱらりと落ちて
川端 康成 / 雪国 amazon
小さな蛾が灰色の翅(はね)をふるって、ちりちりと舞い上がる
中 勘助 / 銀の匙 amazon
秋風が来ると、その(娥の)翅は薄紙のようにひらひらと揺れた。
川端 康成 / 雪国 amazon
このカテゴリを全部見る
「昆虫・虫」カテゴリからランダム5
蝉がジンヤジンヤと啼 きたてている。
林芙美子 / 新版 放浪記
羽音は眠くなるほど懐かしい
松本侑子 / 植物性恋愛 amazon
同じカテゴリの表現一覧
昆虫・虫 の表現の一覧
風景表現 大カテゴリ