邦彦は喋ることがなかったので、皿に載せられたふたつの白子を食べながら、ビールを少量ずつ何度も 喉 に流し込んだ。男にも、とりたてて話すこともないようで、ふたりはしばらくのあいだ、無言でビールを飲んでいた。
宮本 輝「道頓堀川(新潮文庫)」に収録 ページ位置:41% 作品を確認(amazon)
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黙る・沈黙
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前後の文章を含んだ引用
......まいましてなァ。あれはここに来て三つめです」 カウンターの下をくぐって調理場から出て来ると、男は邦彦の隣の椅子に坐り、自分でビールをコップについで飲み始めた。 邦彦は喋ることがなかったので、皿に載せられたふたつの白子を食べながら、ビールを少量ずつ何度も喉に流し込んだ。男にも、とりたてて話すこともないようで、ふたりはしばらくのあいだ、無言でビールを飲んでいた。男がいつまでも口を開かないので、邦彦は居心地が悪くなり、退散するきっかけをみつけようと、頬杖をついたまま店内のあちこちに目をやった。そのとき、格子戸が勢いよく開......
単語の意味
白子(しらこ)
暫く・姑く・須臾(しばらく)
白子・・・魚の精巣。
暫く・姑く・須臾・・・1.長いと感じるほどではないが、すぐともいえないほどの時間。ちょっとの間。一時的。
2.ちょっと待った!
2.ちょっと待った!
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(沈黙して考え出した友人を見て)夜の闇が何処かから部屋の中に忍び込んできて、羊水のように彼のスマートな体をすっぽりと包んでいるみたいに僕には感じられた。
村上 春樹 / ダンス・ダンス・ダンス(下) amazon
羊男は黙った。彼からそれ以上の言葉を引き出すのは不可能であるように思えた。
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 amazon
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「声・口調」カテゴリからランダム5
月の光を浴びたコヨーテが叫んでいるような細く、鋭い、現実のものとは思われぬ響きを持った叫び声
レイモンド チャンドラー / 湖中の女 amazon
小鳥みたいな小さな声でそう言った。
よしもとばなな / 姉さんと僕「まぼろしハワイ」に収録 amazon
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