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......水面が静まっていくのを見ながら足元の学生鞄を持ち上げる時や、競技会に出掛けた純が緑の闇を踏み分けて帰ってくる音を、聞き逃さないようにじっと待っている日曜日の夜、自分の願いが霞のように蒸発してゆくのを感じる。淋しいという程きつい気持ちの時ではなく、とりとめもなく胸がきしむような時、わたしの純粋な願いはゆらゆらと立ち昇って手触りがなくなってしまう。　わたしは手探りしながら、どうしようもできないことを知る。世の中には沢山のどうしようもできないことがあって、わたしにとっての一番のどうしようもできないことが、ひ......

単語の意味

霞（かすみ）

手触り（てざわり）

霞・・・１．遠くにある山などの前に、帯状の煙りのようなものが見える現象。春の朝などによくある、遠くをはっきり見えなくさせる雲のようなもの。
２．目に白いものがかかったようになって、ものがぼんやりと見えること。翳み(かすみ)。

手触り・・・１．手で触ったときの感じ。手に受ける感触。
２．物から直接受ける感じ。印象。