無駄骨のような気がして腹立たしくもあり
夏目漱石 / 吾輩は猫である ページ位置:73% 作品を確認(青空文庫)
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取り越し苦労・杞憂
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前後の文章を含んだ引用
......平君万歳だ」と迷亭先生は面白がって、大に笑い出す。主人は少からざる尊敬をもって反覆読誦 した書翰 の差出人が金箔 つきの狂人であると知ってから、最前の熱心と苦心が何だか無駄骨のような気がして腹立たしくもあり、また瘋癲病 者の文章をさほど心労して翫味 したかと思うと恥ずかしくもあり、最後に狂人の作にこれほど感服する以上は自分も多少神経に異状がありはせぬかとの疑念もあるの......
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ほとんど不穏なと言うべき胸騒ぎを覚えた。
平野 啓一郎「マチネの終わりに (文春文庫)」に収録 amazon
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