水島の舌はとても長い。この舌こそが特別だ。十和子が自分自身の舌では決して触れられないような場所に届き、二つの口から大量の唾液が溢れ出る。舌の付け根をえぐられるとアーという発声がどうしてもエーになってしまう。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 ページ位置:38% 作品を確認(amazon)
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キス・口づけ
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...... 舌先が上あごの裏側を這い回り、舌ともつれ合い、舌の下側に入り込んでくる。声が続かない。噎せて途切れる。再びかすれた裏声でアーと続ける。動かないでと水島が言う。水島の舌はとても長い。この舌こそが特別だ。十和子が自分自身の舌では決して触れられないような場所に届き、二つの口から大量の唾液が溢れ出る。舌の付け根をえぐられるとアーという発声がどうしてもエーになってしまう。それでもいっぱいに口をあけている。とうとう声が出なくなってしまってからも、アエーというかたちに口を開いたままでいる。 水島が身を起こすと、十和子はその顔に表れて......
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キス・口づけの表現・描写・類語(恋愛のカテゴリ)の一覧 ランダム5
私はお釈迦様に恋をしました 仄 かに冷たい唇に接吻すれば おおもったいない程の 痺 れ心になりまする。
林芙美子 / 新版 放浪記
互いに食べ合うみたいに、口を動かしている。
村田 沙耶香「しろいろの街の、その骨の体温の」に収録 amazon
赤児の頰だの、首筋だのへ、ぶぶぶと口でお 灸(とも少し 異うが)日本流の接吻を無闇にした。
直哉, 志賀「暗夜行路 (新潮文庫)」に収録 amazon
佃は半ば夢中であった伸子に接吻した。伸子はそれを彼の情熱の告白と感じて応えた。
宮本百合子 / 伸子
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パパを取り巻いている恋の熱が心地よく感じられた
よしもとばなな / まぼろしハワイ「まぼろしハワイ」に収録 amazon
彼女を見ているだけで、彼の胸は重く厳しく締めつけられた。ふたつの壁のあいだに挟まれて身動きがとれなくなった人のように、そのまま進むことも退くこともできない。肺の動きが不規則でぎこちなくなり、生ぬるい突風の中に置かれたみたいにひどく息苦しくなった。これまでに味わったことのない奇妙な心持ちだった。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 3 amazon
彼女はぼくの属している世界の外縁をひとまわり広げて、大きく息をつかせてくれた。そんなことができるのはすみれだけだった。
村上春樹「スプートニクの恋人 (講談社文庫)」に収録 amazon
互いの身体を愛撫し合い、唇と唇を重ね合って、ベッドの中、その日二度目の性の交歓に向かう助走を始める
小池真理子「愛するということ (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
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