元気のある商店街

駅前の小さな商店の並ぶ埃っぽい道

狭い商店街の通りには天幕がずっと張り渡されて、昏（くら）い涼しい影をつくっていた。

食物の匂いのする商店が肩を擦り合うようにして並んでいる。

渋谷の駅から１０９の脇を抜け、道玄坂を登っていくと見えてくる古びた商店街。その商店街のはずれで遠藤電気店は何十年もこぢんまりと店を構えていた。

（繁華街は）宵になれば祭のように 賑わった

お城だけに堅牢（しっかり）している。法文科見たように倒れそうでない。何だか背の低い相撲取に似ている。

ゲームセンターに由男はいた。暗がりの中、ディスプレイのライトに照らされて、大人の顔をして「コラムス」をやっていた。

（夜の川の先に見える歓楽街の光）一直線につづいている夜の川の 彼方 の、道頓堀の光彩に見入った。川に光はなく、それは歓楽街に伸びて行く底深い一本の道に見えた。道は橋々をくぐって後方の、遠い高層ビルのほうにまでつづいて行く。 苔 や青みどろに 覆われた太い材木が浮かんでいたが、それも道に捨て置かれた黒い岩のようである。道の果てに四角いスクリーンがあって、そこにぽつんと七色の光が映し出されているのだった。

羽織を脱ぎ、猿股を脱ぎ、袴（はかま）を脱いで平等になろうと力（つと）める赤裸々