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......ある。パゴダ公園でも、一晩中、地面に臥せて眠ったこともあった。だが、朝鮮あたりでそんな男が何を煩悶して何をしようと、本浦奘治も岩野祐之も知ったことではなかった。彼らと俺との間は空気の上層と地底ぐらいの距離があった。恐らく俺、宅田伊作という名前もとうに忘れているだろう。と、そう思っていたのは、しかし間違いであることが後で分った。　昭和十五、六年ごろだったか、世話する人があっ......