(ぶらんこ)高々とブランコを蹴り上げる僕を祝福するように、鉄のチェーンも黄色い名札も運動靴も、朝日を浴びてキラキラきらめいている。
小川 洋子 / 先回りローバ「口笛の上手な白雪姫」に収録 ページ位置:30% 作品を確認(amazon)
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公園・広場
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前後の文章を含んだ引用
......生の背後に視線を送り、どうしてあのざわめきの中に自分がいないのか、不思議な気分に陥る。体はここにあるかもしれないが、心はちゃんと先回りして園庭で僕を待っている。高々とブランコを蹴り上げる僕を祝福するように、鉄のチェーンも黄色い名札も運動靴も、朝日を浴びてキラキラきらめいている。 少しでも舌を慰めるのに役に立てばと思い、僕は幼稚園帽のゴム紐を口にくわえる。舌と唇の間にはさんでピチャピチャ音を立てる。それはだらしなく伸びきって、変なにおい......
単語の意味
煌く・煌めく・燦めく(きらめく)
朝日・旭(あさひ)
鉄(てつ・くろがね)
煌く・煌めく・燦めく・・・キラキラと光り輝く。存在が輝かしくて人目をひく。
朝日・旭・・・朝に昇る大陽。日の出。旭日(あさひ・きょくじつ)。
鉄・・・1.金属元素のひとつ。元素記号Fe、原子番号26。銀色の金属。湿った空気中では錆(さび)を生じやすい。錆(さ)びると褐色になる。安価で加工しやすく最も利用価値の高い金属。
2.堅くて強いことのたとえ。「鉄の意志」
2.堅くて強いことのたとえ。「鉄の意志」
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公園・広場の表現・描写・類語(店・施設のカテゴリ)の一覧 ランダム5
ポプラで囲まれた広場
林芙美子 / 新版 放浪記
きいっ、きいっ、きいっ・・・・・金属のこすれあう規則正しい音。錆びた鉄のぶらんこが揺れる音。
竹下文子 / 窓ガラス「風町通信」に収録 amazon
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(死刑を言い渡す)その裁判の時間が訪れた。被告人の顔も青かったが、裁判長の顔も負けず劣らず青かった。 「まず判決理由から読んでいきます」 裁判長は言った。主文を後回しにするということは、十分に死刑判決があり得ることをほのめかすものである。被告人は初めこそ金縛りに遭ったように固まっていたが、途中から判決理由の読み上げそっちのけで 嗚咽 を洩らし始めた。嗚咽というよりは 慟哭 に近かった。法廷内にその声が響いた。 それを聞いて、裁判長の朗読もおかしくなった。声が震えて進んでいかない。真っ青になり、 喘ぐように息をしている。 主文。被告人を死刑に処す……。 そこのところはもうほとんど言葉になっていなかった。
雫井 脩介「火の粉 (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
鉄筋コンクリート三階建ての校舎と体育館、下駄箱とうさぎの飼育小屋がある、ありふれた小学校だった。
小川 洋子 / 夕暮れの給食室と雨のプール「妊娠カレンダー (文春文庫)」に収録 amazon
波止場に船が着いたのか、汽笛の音がしている。波止場の雑音が、フッと悲しく胸に聞えた。
林芙美子 / 新版 放浪記
千葉の刑務所は町からはなれたところにあって、旧陸軍の小兵舎の改造をしたものだった。近くに新築の小住宅がぼつぼつと建っていたが、以前の荒野の面影は残っていた。その代り外界を防ぐ高いコンクリート塀はなく、米軍の施設のように金網が周囲にめぐらされているだけだった。
松本 清張 / 与えられた生「松本清張ジャンル別作品集(3) 美術ミステリ (双葉文庫)」に収録 amazon
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