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(見習い調律師)一弦ずつ、音を合わせていく。合わせても、合わせても、気持ちの中で何かがずれる。音の波をつかまえられない。チューナーで測ると合っているはずの数値が、揺れて聞こえる。調律師に求められるのは、音を合わせる以上のことなのに、まずはそこで足踏みをしている。
宮下 奈都「羊と鋼の森 (文春文庫)」に収録 ページ位置:5% 作品を確認(amazon)
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......いピアノの蓋を開ける。気持ちがふわっと開くのに、芯のところはきゅっと窄まるような、なんとも言えない静けさが訪れる。音叉を鳴らす。ぴーんと神経が研ぎ澄まされる。 一弦ずつ、音を合わせていく。合わせても、合わせても、気持ちの中で何かがずれる。音の波をつかまえられない。チューナーで測ると合っているはずの数値が、揺れて聞こえる。調律師に求められるのは、音を合わせる以上のことなのに、まずはそこで足踏みをしている。 泳げるはずだと飛び込んだプールで、もがくようなこと。水をかいても、進んでいる実感がない。夜ごと向き合うピアノの前で、僕は水をかき、小さな泡を吐き、ときどきはプ......
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律師(りっし)
律師・・・僧の官職(かんしょく[=職務上の地位])である僧綱(そうごう)の第三位。僧正(そうじょう)と僧都(そうず)に次ぐ位置づけで、僧や尼(あま)をまとめて管轄(かんかつ)する。
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