手を伸ばせば指先が黒く染まりそうなほど暗闇が立ちこめている
綿矢 りさ / 亜美ちゃんは美人「かわいそうだね? (文春文庫)」に収録 ページ位置:29% 作品を確認(amazon)
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暗い・闇
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前後の文章を含んだ引用
......からないほど空気に溶け込んでいるが、それでも確かにその野性的な気配を嗅ぐことができる。都会にはない、匂いの殺ぎ落とされぶりだ。 ちょっと山小屋から離れただけで、手を伸ばせば指先が黒く染まりそうなほど暗闇が立ちこめているなか、星の散らばる空がもっとも明るかった。「きれい、星。すごい数だね」「ずっと空を見上げてると、首が痛くなっちゃうね。亜美、二人で寝転んじゃおうよ」 亜美ちゃん......
単語の意味
立ち込める・立ち籠める(たちこめる)
指先(ゆびさき)
暗闇(くらやみ)
立ち込める・立ち籠める・・・煙や霧などの気体が、あたり一面を覆う。
指先・・・手や足の、指の先端。指の先っぽ。指頭(しとう)。指端(したん)。
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窓ガラスにそっと額を押しつけて外を眺めたが、ただ黒く塗りつぶされているだけで、景色はなにも見えなかった。
三浦 しをん「神去なあなあ日常 (徳間文庫)」に収録 amazon
まっくらで、深い森の中を歩いているよう
太宰 治 / 貨幣 amazon
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はっきりと路の上にうつした影はひきがえるのように這 っている。
林芙美子 / 新版 放浪記
車椅子の金属がたっぷりと月光を吸いこんで、氷のような白さに光っていた。
村上 春樹 / 回転木馬のデッド・ヒート amazon
K君の背中を、ヘッドライトの列が潤んだ川のように流れていた。
小川洋子 / 冷めない紅茶「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
赤黄く濁った、にぶい電燈のなかでチラッと瓶 の角が光ってみえた。
小林多喜二 / 蟹工船
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