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水中・海底の表現・描写・類語
澄み渡った水底の砂利が銀のように碧玉のように沈んでいる
国木田 独歩 / 武蔵野 amazon
まっ白なマリンスノーがあたりに浮遊する
日野 啓三 / 抱擁 amazon
水中は割合に明るかった。磨硝子色 に厚みを保って陽気でも陰気でもなかった。性を脱いでしまった現実の世界だった。黎明 といえば永遠な黎明、黄昏 といえば永遠に黄昏の世界だった。陸上の生活力を一度死に晒 し、実際の影響力 を鞣 してしまい、幻 に溶かしている世界だった。すべての色彩 と形が水中へ入れば一律に化生せしめられるように人間のモラルもここでは揮発性と操持性とを失った。いわば善悪が融着 してしまった世界である。ここでは旧套 の良心過敏 性にかかっている都会娘の小初の意地も悲哀 も執着 も性を抜かれ、代って魚介 鼈 が持つ素朴 不逞 の自由さが蘇 った。小初はしなやかな胴を水によじり巻きよじり巻き、飽 くまで軟柔 の感触 を楽んだ。
岡本かの子 / 渾沌未分 青空文庫
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