魚（風景）の表現・描写・類語

おびただしい小魚が雲のように群れ集まる

お玉杓子が水の勢いに怺（こら）えるられぬようにしては、俄（にわか）に水に浸されて銀のように光っている岸の草の中に隠れようとする。そうしては又可憐な尾をひらひらと動かしながら、力に余る水の勢いにぐっと持ち去られつつ泳いでいる。

鮎が跳ぶように泳ぐ

サメがヒレを立てて海原を滑らかに泳ぐ

普段はほのかな虹色に輝く鮭の腹が、産卵期には緋鯉のように真っ赤になる

待ち針みたいに小さな魚が群れになって泳いでいる

舌のように扁平な魚

いくつも鮒（ふな）が泳ぎ流れて来て、新茶のような青い水の中に尾鰭（おひれ）を閃めかしては、杭根（くね）の苔を食（は）んで、また流れ去って行く。

尾鰭（おびれ）のところに三枚の剃刀の刃のように鋭く硬い武器をもった魚

頭と尻尾を弓のようにはねあげた赤い魚

濁った水の底を幻影のように赤くするその魚

白壁の並んだ肥料倉庫の広場には針のように光った干魚が山のように盛り上げてあった。

鮪（まぐろ）は計画を貯えた砲弾のように落ちつき払って並んでいた。

嘘つきのような口をあけたぎちぎちした鱒

若鮎はあの秋の雁のように正しく、可愛げな行列をつくって上ってくる

（地上に揚がった鯉は）からだを横に倒しながら、尾鰭をはげしく打ちつけるようにした。（略、それは）鱗の汚れを拭い取っているように見えた。からだをマッサージしているようにもまた、時によっては、痒みを掻いているようにも見えた。

（片口鰯）水中から銀片のように、シコイワシが撥ね上っている

クリムソンレーキを水に薄く溶かしたよりもっと鮮明な光を持った鱗（うろこ）の色

庭の池は清冽な湧水で、これに見事な鯉が群れをなして遊弋していた。

濁った水を走る、小さい魚の眼にも、澄んだ真夏の空が光っている。