乳白色の闇が海辺をゆっくりと流れる。
村上 春樹「1973年のピンボール (講談社文庫)」に収録 ページ位置:66% 作品を確認(amazon)
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霧・かすみ・もや
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前後の文章を含んだ引用
......て突きあたりの壁にはベッドがある。北欧風の小さな白木のベッドだ。二人が乗ると、公園のボートのような軋んだ音を立てる。 霧は時を追うごとにその濃さを増していった。乳白色の闇が海辺をゆっくりと流れる。時折道路の前方から黄色いフォグ・ランプが近づき、スピードを落としたまま鼠のわきを通り過ぎる。窓から入り込んでくる細かな水滴が、車の中のあらゆるものを濡らしていく......
単語の意味
乳白色(にゅうはくしょく)
乳白色・・・乳汁のように、わずかに黄色みのある白色。
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霧・かすみ・もやの表現・描写・類語(雨・霧のカテゴリ)の一覧 ランダム5
急に四囲の草木が葉裏をかえしたような妙な空あいになり、霧のようなものが立ちこめてみえる。
林芙美子 / 新版 放浪記
広い東京市中が、海のような濛靄(もや)の中に果てもなく拡がって見えたり
徳田 秋声 / 足迹 amazon
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「雨・霧」カテゴリからランダム5
凍ったような層の厚い靄が、いく手の道路を黝(くろ)ずんだ灰色に暈(ぼか)す
野上 弥生子 / 真知子 (1951年) amazon
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