時間が止まってしまったように、陽の光はさっきから少しも衰えずにずっと空一面で弾けていた。

窓の外で絶えず動く夕景色のせいで、娘の輪郭は透明にも見える。顔の裏に夕景色が流れる瞬間、光が顔の表を通るみたいで本当に透明に感じる

透き通る大きな布が空から地上へひらひら伸びてくるというような日差し

（庭のデッキ・チェアで目を閉じて思い出そうとする）猫の姿を頭に思い浮かべようとしたが、実際に僕が思い浮かべることができるのは、逆光を浴びた写真のようなひどく漠然とした猫の像にすぎなかった。強い太陽の光が瞼をとおり抜けて僕の暗闇を不安定に拡散させていたし、それに僕はどれだけ努力しても猫の姿を正確に思いだすことができなかったのだ。

ジュジュが走ると、陽射しが弾けて鎖がきらきら光った。

朝、玄関から出ると軽快な日光を全身に浴びる

月明りがくっきりと差し入り、黄ばんだ 漆喰 の壁には、ステンドグラスの七色の光が、幻燈のような紋様を描いていた。

曇天に裂け目ができ、 爛れるような橙色の夕焼けが住宅街の屋根を斜めに照射している。

急に青葉をくぐって、強い日の光が庭の一部に降りそそいで来た。明るいところと暗いところが、くっきりと分かたれて、青い焔を燃え立たせたように光の斑が散らばった。

時刻は午前十時を回り、海に洗濯された太陽も、徐々に使い古されて黄ばんでゆく。