人が金魚を作って行くのではなく、金魚自身の目的が、人間の美に牽かれる一番弱い本能を誘惑し利用して、着々、目的のコースを進めつつあるように考えられる。
岡本かの子 / 金魚撩乱 ページ位置:61% 作品を確認(青空文庫)
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金魚
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前後の文章を含んだ引用
......しかし、金魚は、この喰べられもしない観賞魚は、幾分の変遷 を、たった一つのか弱い美の力で切り抜けながら、どうなりこうなり自己完成の目的に近づいて来た。これを想うに人が金魚を作って行くのではなく、金魚自身の目的が、人間の美に牽かれる一番弱い本能を誘惑し利用して、着々、目的のコースを進めつつあるように考えられる。逞ましい金魚――そう気づくと復一は一種の征服慾さえ加っていよいよ金魚に執着して行った。 夏中、視察に歩いて、復一が湖畔の宿へ落付いた半ヶ月目、関東の大震災 が報ぜ......
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金魚の表現・描写・類語(水中の生き物のカテゴリ)の一覧 ランダム5
喰べられもしない観賞魚
岡本かの子 / 金魚撩乱
蘭鋳は胴は稚純で可愛らしかった。が顔はブルドッグのように獰猛
岡本かの子 / 金魚撩乱
(遠くを泳いで)飛行機の翼燈のようにちいさくなった金魚
庄野 英二 / 星の牧場 amazon
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六尺ほどの凍った魚が三四本丸太のように立てかけてあった。
藤枝 静男 / 犬の血 amazon
蛙の声に家も身も埋めらるるように感じるほど、夜がしんとしている
田山 花袋 / 田舎教師 amazon
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