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一人きりなのに、不思議と怖くなかった。自分はどこか小さなひずみに紛れ込んでいるのだ、とわたしは思った。
小川 洋子 / ドミトリイ「妊娠カレンダー (文春文庫)」に収録 ページ位置:97% 作品を確認(amazon)
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夢のよう・現実味がない
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......に覆いかぶさってきた。冷ややかな雨だった。 わたしは中庭に転がっているビールのケースを集め、先生の部屋の通気孔の下に積み上げた。びしょ濡れで、足元はぐらぐらで、一人きりなのに、不思議と怖くなかった。自分はどこか小さなひずみに紛れ込んでいるのだ、とわたしは思った。それだけのことだ、と自分に言い聞かせた。 通気孔のカバーは錆付いて重かった。手を離すとそれはずっしり地面にめりこみ、はずみでケースが揺れた。わたしは通気孔にしが......
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夢のよう・現実味がないの表現・描写・類語(ものの性質・特徴のカテゴリ)の一覧 ランダム5
(現実感なく食べる)一口かじる。噛みとった肉から、今までに食べたどんな肉よりも肉らしい臭気と香味が溢れ出て口中にひろがる。まるで肉ではなく肉の記憶を口いっぱいに味わっているとでもいうような。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
一人きりなのに、不思議と怖くなかった。自分はどこか小さなひずみに紛れ込んでいるのだ、とわたしは思った。
小川 洋子 / ドミトリイ「妊娠カレンダー (文春文庫)」に収録 amazon
すべてが活動写真を見ているようで
夢野久作 / あやかしの鼓
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胸には、湖に沈んだ小石の波紋ほどの揺らぎもない。
伊坂 幸太郎 / マリアビートル amazon
目の前には、さまざまな幻が、瀕死 の彼をあざけるように、ひっきりなく徂来 する
芥川龍之介 / 偸盗
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