TOP > 風景表現 > 外の設備・工作物 > つり橋・歩道橋
停車場のブリッジを、上って、降りて、そうしてそれが線路をまたぎ越えるために造られたものだという事には全然気づかず、ただそれは停車場の構内を外国の遊戯場みたいに、複雑に楽しく、ハイカラにするためにのみ、設備せられてあるものだとばかり思っていました。
太宰治 / 人間失格 ページ位置:3% 作品を確認(青空文庫)
この表現が分類されたカテゴリ
つり橋・歩道橋
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......来ました。 自分には、人間の生活というものが、見当つかないのです。自分は東北の田舎に生れましたので、汽車をはじめて見たのは、よほど大きくなってからでした。自分は停車場のブリッジを、上って、降りて、そうしてそれが線路をまたぎ越えるために造られたものだという事には全然気づかず、ただそれは停車場の構内を外国の遊戯場みたいに、複雑に楽しく、ハイカラにするためにのみ、設備せられてあるものだとばかり思っていました。しかも、かなり永い間そう思っていたのです。ブリッジの上ったり降りたりは、自分にはむしろ、ずいぶん垢抜 けのした遊戯で、それは鉄道のサーヴィスの中でも、最も気のきい......
ここに意味を表示
つり橋・歩道橋の表現・描写・類語(外の設備・工作物のカテゴリ)の一覧 ランダム5
橋の中央両端に位置する主塔から本体全体へと等間隔で張られているケーブルは、遠くからだと線のようにしか見えないものの、日光の下、間近で見るとその一本一本は直径十数センチの頑丈な鉄柱であることがよくわかる。
羽田 圭介 / 一丁目一番地「ミート・ザ・ビート (文春文庫)」に収録 amazon
橋が巨鯨の白骨のような姿
岡本 かの子 / 岡本かの子 amazon
(人力車で)轍 に踏まれて躍る橋板の上を曳かれて行く
岡本かの子 / 東海道五十三次
線路をまたぎ越えるための頗る実利的な階段に過ぎない
太宰治 / 人間失格
このカテゴリを全部見る
「外の設備・工作物」カテゴリからランダム5
(筧に)耳を澄まして聴くと、幽 かなせせらぎの音がそのなかにきこえた。
梶井基次郎 / 筧の話
家々は既に戸を降し、ところどころに外灯の光が軒先を照らし、高い電柱の上にむき出しの電球がタングステンの鈍く輝いている線を高みを通る風に揺すられるように寒々と見せている。
野間 宏 / 暗い絵「暗い絵・顔の中の赤い月 (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
同じカテゴリの表現一覧
外の設備・工作物 の表現の一覧
風景表現 大カテゴリ