あぶら蝉 、みんみん蝉、日光山がジイ――ッと啼いているようだ。
吉川英治 / 無宿人国記 ページ位置:65% 作品を確認(青空文庫)
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蝉(せみ)
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前後の文章を含んだ引用
......すな」 「行こう」 思い立つと、すぐだった。 気まぐれではない――ここの払いをしてみると、一角は、もう底の透いてみえる持ち金に、少し、心細さもあったのである。 あぶら蝉 、みんみん蝉、日光山がジイ――ッと啼いているようだ。 「馬鹿なやつじゃねえか。あれが、ほんとの、自暴 のやん八」 香りの高い檜 の板を、削り台にそろえて、十人ばかりの大工が、絹よりうすい鉋屑 を舞わせながら、 「ふふむ、あ......
単語の意味
日光(にっこう)
蝉・蟬(せみ)
みんみん蝉・蛁蟟(みんみんぜみ)
日光・・・日の光。大陽光線。
蝉・蟬・・・1.セミ科の昆虫を総称。夏に鳴く虫の代表。羽を畳んで木に止まり、雄は高い声で鳴きたてる。幼虫は数年かかって成虫になるが、成虫の寿命は10日から20日と短い。
2.高いところに物を引き上げるときに使う、小さな滑車。
2.高いところに物を引き上げるときに使う、小さな滑車。
みんみん蝉・蛁蟟・・・セミ科の一種。体は大形。黒色と緑色のまだらがあり、翅(はね)は透明で緑色の筋(すじ)が走る。盛夏に「ミーンミーン」と鳴くのが名前の由来。「蛁蟟」は「つくつくぼうし」とも読める。
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蝉(せみ)の表現・描写・類語(昆虫・虫のカテゴリ)の一覧 ランダム5
裏の松林で鳴く油蝉が、濁った余韻のない響を、乾燥した空中にベルトのように吐き出していた。
石坂 洋次郎 / 若い人 amazon
(セミの鳴き声が)三重四重、五重にも六重にも重なって鳴いている。
梶井基次郎 / 城のある町にて
どこからともなく蜩(ひぐらし)の声が金鈴の雨を聴くように聞えて来る。
白柳 秀湖 / 駅夫日記 amazon
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「昆虫・虫」カテゴリからランダム5
何かが燃え出しでもしたかのように、蝉がひねもす啼き止まなかった
堀 辰雄 / 風立ちぬ amazon
つくつく法師が鳴いた。「文法の語尾の変化をやっているようだな」ふとそんなに思ってみて、聞いていると不思議に興が乗って来た。
梶井基次郎 / 城のある町にて
そとでは虫が織るようにないている
尾崎 士郎 / 人生劇場 青春篇 amazon
彼女の背後にはバッタが一面に舞っていて、木の車が軋むような音が、ひっきりなしにしていた
小川国夫 / 小川国夫作品集〈第2巻〉(役者たち) amazon
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