水面が鏡のように光る

ほとんど流れない粘りつくような光沢を放つ腐った運河

プールの表面は一面、雨粒が作り出す水模様のせいで、無数の小魚が餌を欲しがってうごめいているみたいに見える。

夜の水面に何万もの波紋が次々と生まれていく

川の流れは浅いけれども早いから、神経質の水のようにやたらに光る。

（道頓堀川）夜、幾つかの色あざやかな光彩がそのまわりに林立するとき、川は実像から無数の生あるものを奪い取る 黯 い鏡と化してしまう。不信や 倦怠 や情欲や野心や、その他まといついているさまざまな 夾雑物きょうざつぶつ をくるりと 剥いで、鏡はくらがりの底に簡略な、実際の色や形よりもはるかに美しい虚像を映し出してみせる。

（入り江）町を通り抜け、丘をひとつ越えると、そこには静かな入り江が広がっている。時の流れに取り残されたままうつらうつらと眠り込んでしまったような入り江だ。

池の水面が錆びた銀色に陰る

波音が繰り返し響いて、何かを伝えているようでもあった。

（河原の）処ところ々どころ島のように点在した高み