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女が専門の料理人になれないのは、ここのところであって、毎日、神経を一点に集中し、昨日も今日も変りない美味さで料理をつくることが、実は、生理的・体質的に、女にはむりなのである。 女の血は、現実にのぞんでたちまちに変り、うごく。 家内なども、何かおもしろくないことがあって、むしゃくしゃしているときなどは、塩加減も何もあったものではない。 今朝の味噌汁は昨日の味噌汁ではなく、昨日うまくたけた飯が今日はまずい。 これが、男から見た女だ。
池波 正太郎「食卓の情景 (新潮文庫)」に収録 ページ位置:5% 作品を確認(amazon)
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前後の文章を含んだ引用
......した」 といい、店をたたんで隠居してしまった。 専門外のことで、しかとはわからぬが、ステーキの焼きかげんに神経をくばることも、なまなかのことではないと見える。 女が専門の料理人になれないのは、ここのところであって、毎日、神経を一点に集中し、昨日も今日も変りない美味さで料理をつくることが、実は、生理的・体質的に、女にはむりなのである。 女の血は、現実にのぞんでたちまちに変り、うごく。 家内なども、何かおもしろくないことがあって、むしゃくしゃしているときなどは、塩加減も何もあったものではない。 今朝の味噌汁は昨日の味噌汁ではなく、昨日うまくたけた飯が今日はまずい。 これが、男から見た女だ。 女から見た女は、また別のものになるのであろう。 いずれにせよ、食べもの屋は大変なもので、たった一度、ひどいものを食べさせたがために、長年の常客をうしなうことに......
単語の意味
家内(かない)
体質(たいしつ)
家内・・・妻。家族以外の人に対して、自分の妻をいうときに使う言葉。
体質・・・1.その人が生まれながらにもっている、体の性質。
2.団体や組織などがもつ、性質や特徴。
2.団体や組織などがもつ、性質や特徴。
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中華料理のコックが思い切り息を吹き込んだペキンダックみたいに、みっともない格好
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どの男でも踏み込ませるような防御のない女
伊藤 整 / 青春 (1960年) amazon
体中の水分が回りきった切り花のようにみずみずしい女性
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国籍もわからない。とび色の 瞳 に、長い茶の髪。黒いワンピース。すらりと伸びた足に黒いエナメルのハイヒール。
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K君が彼女の方を見た。彼女を見る時の彼の目には、気持ちがこもっていた。いとおしさや安らかさや清らかさや、そんな種類の気持ちだった。
小川洋子 / 冷めない紅茶「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
小林多喜二 / 蟹工船
惰性が男と女の世界をずるりずるりと引いている
芝木 好子 / 女ひとり amazon
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(数学教師)彼は数学の問題の解き方を実際的に有効に教授するのと同時に、その設問の中に秘められているロマンスを華やかに開示した。天吾は教室を見まわし、十七歳か十八歳の少女たちの何人かが、敬意をこめた目で自分をじっと見ていることを知った。彼は自分が数学というチャンネルを通して、彼女たちを誘惑していることを知った。彼の弁舌は一種の知的な前戯だった。関数が背中を撫で、定理が温かい息を耳に吐きかける。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
夕闇の中に診察着をきた一人の男が夕顔のように白く近よってくる
遠藤 周作 / 海と毒薬 amazon
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