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この奇怪な二つの矛盾が葉子の心の中には平気で両立しようとしていた。葉子は眼前の境界でその二つの矛盾を割合に困難もなく使い分ける不思議な心の広さを持っていた。《…略…》まるで二人 の人が一つの肉体に宿っているかと自分ながら疑うような事もあった。
有島武郎 / 或る女(後編) ページ位置:8% 作品を確認(青空文庫)
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二重人格
豹変・がらりと変わる
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前後の文章を含んだ引用
......する以上は命と取りかえっこをするくらいに愛せずにはいられない。そうした衝動が自分でもどうする事もできない強い感情になって、葉子の心を本能的に煽 ぎ立てるのだった。この奇怪な二つの矛盾が葉子の心の中には平気で両立しようとしていた。葉子は眼前の境界でその二つの矛盾を割合に困難もなく使い分ける不思議な心の広さを持っていた。ある時には極端に涙もろく、ある時には極端に残虐だった。まるで二人 の人が一つの肉体に宿っているかと自分ながら疑うような事もあった。それが時にはいまいましかった、時には誇らしくもあった。 「定 ちゃま。ようこざいましたね、ママちゃんが早くお帰りになって。お立ちになってからでもお聞き分けよくママの......
単語の意味
眼前(がんぜん)
肉体(にくたい)
眼前・・・目の前。その人が見ているすぐ目のところ。目前(もくぜん)。
肉体・・・肉から構成されている体。生きている人間の体。生身の体。
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手のひらをかえすが如くに変化
太宰治 / 人間失格
カメレオンのように、よく変った。
岩田 豊雄 / 沙羅乙女「獅子文六作品集〈第4巻〉沙羅乙女・信子 (1958年)」に収録 amazon
戸板をかえすように違って来た。
有島武郎 / 或る女
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おそらく僕はこの新しい世界にも少しずつ馴染んでいくことだろう。時間はかかるかもしれないが、少しずつ僕は肉や骨をこの重く湿った宇宙の断層の中にもぐりこませていくことだろう。
村上春樹 / 双子と沈んだ大陸「パン屋再襲撃 (文春文庫)」に収録 amazon
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