いちばんしあわせだと思った。体の中すべて、血管の内部も内臓と内臓の間もすべて、しあわせが埋め尽くしていると感じた。
朝井 リョウ / ひーちゃんは線香花火「もういちど生まれる (幻冬舎文庫)」に収録 ページ位置:53% 作品を確認(amazon)
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幸せ・満足な気持ち
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前後の文章を含んだ引用
......浴衣姿の人たちは、あたしたち三人の頭がきゅっと集まっているのを見て、何を思っただろう。 かこかこと鳴る誰かの下駄の音を背中で感じながら、あたしは、いま三人ともがいちばんしあわせだと思った。体の中すべて、血管の内部も内臓と内臓の間もすべて、しあわせが埋め尽くしていると感じた。線香花火の玉は、あたし達の過去や未来、期待や不安や失望や夢、すべてを含んで、たっぷり、たっぷりと膨らんでいるんだと思った。火の玉は、なみだのようにふるふる震えて......
単語の意味
体(からだ)
体・・・頭・胴・手足など、肉体全体をまとめていう言葉。頭からつま先までの肉体の全部。身体。体躯。五体。健康。体力。
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(幸せな日々)桜が散ってしまった後も、街のあちらこちらで白や黄色の花が開き、軽く滑らかに流れる二人の会話は屈託のない笑いに守られて、第一そのどこにも、不幸を暗示する言葉や疑惑をさしはさむ隙間などなかった。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
一種陰性の幸福感が身内に溢れる
大岡 昇平「野火(新潮文庫)」に収録 amazon
次の朝になって自分が死んで見いだされようとも満足だと思った。
有島武郎 / 或る女
ほんの些細 なことがその日の幸福を左右する。
梶井基次郎 / 城のある町にて
いつもすっと眠れた。 それよりほしいものは、今、思いつかないので私は幸福だった。
吉本 ばなな / キッチン「キッチン (角川文庫)」に収録 amazon
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躍るような快感
吉川英治 / 治郎吉格子
玉を転がすような笑い声
井上 靖 / 風林火山 amazon
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