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城戸は、走り書きのメモを元に、二人から聴いた原誠の話を、記憶している限り、文章にしていった。
平野啓一郎「ある男」に収録 ページ位置:69% 作品を確認(amazon)
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......まだ、谷口大祐の安否を気にしていたが、この時は、その柳沢の言葉に心から同意して、「ええ。」と返事しただけだった。   16 北千住のボクシング・ジムから戻ると、城戸は、走り書きのメモを元に、二人から聴いた原誠の話を、記憶している限り、文章にしていった。それだけでなく、これまで雑然と記録していたこの一年あまりに亘る調査を、彼の生涯に関連づけるかたちで、一から整理し直した。 里枝に報告するためで、ようやく、その段......
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