月明かりの下で歌いはじめた。 夜の気配の間をていねいにぬってゆく鼻歌みたいな調子だった。
吉本 ばなな「アムリタ(下) (新潮文庫)」に収録 ページ位置:29% 作品を確認(amazon)
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鼻歌
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前後の文章を含んだ引用
......させ子を連れ戻しに行った。仲のいい夫婦だねえ、と残りの三人で笑った。 やがて、びしょびしょの人魚のようにべったり濡れたさせ子が重そうな足取りで浜に上がってきて、月明かりの下で歌いはじめた。 夜の気配の間をていねいにぬってゆく鼻歌みたいな調子だった。 私は思わず腕時計を見て時刻を確かめた。ぼんやりと、午前三時の九〇度が見えた。三時だ、と思ったと同時に、声量のボリュームがアップした。 怖い、と思った。 鳥肌が......
単語の意味
月明かり(つきあかり)
月明かり・・・月光。月の光。また、月の光で明るいこと。
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鼻の先で器用に唄って
林芙美子 / 新版 放浪記
甘く咽喉 にからまる下声で、低くうたを唄 いながら歩いた。
岡本かの子 / 母子叙情
となりのビーチバーから聴こえてきている曲にあわせて、かすかにハミングし始めた。
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 amazon
月明かりの下で歌いはじめた。 夜の気配の間をていねいにぬってゆく鼻歌みたいな調子だった。
吉本 ばなな「アムリタ(下) (新潮文庫)」に収録 amazon
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噴き出させる
太宰治 / 人間失格
花びらの中に包み込まれたように心地よい
泉 鏡花 / 高野聖 amazon
春の夜のような心のときめきを感じている
梶井基次郎 / のんきな患者
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