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祈りは歯をかたく閉じた病人の口から水がこぼれるように、 空疎 に唇をかすめただけだった。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 ページ位置:41% 作品を確認(amazon)
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祈る・願う
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前後の文章を含んだ引用
......いの日数がたち今日がどの聖者の祝日なのか計算することはできなかったのである。 ロザリオがないので五本の指を利用して天使祝詞と主禱文とをラテン語で唱えはじめたが、祈りは歯をかたく閉じた病人の口から水がこぼれるように、空疎に唇をかすめただけだった。それよりも彼は小屋の外から聞える番人の話声に気をとられていた。番人たちは何が可笑しいのか、時々、声をたてて笑っている。なぜとはなく司祭は庭で火に燠っていた下僕た......
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「あんた、俺たちの味方だろ? な、な」歯欠けの男は、野球チームのキャッチャーが審判の判定に願いを託すかのように、祈っている。
伊坂 幸太郎 / グラスホッパー 角川文庫 amazon
悲しい祈りは、悲しい詩のように暗く湿った和室に響いた。
吉本 ばなな / とかげ「とかげ (新潮文庫)」に収録 amazon
君の上にも確かに、正しく、力強く、永久の春がほほえめよかし‥‥僕はただそう心から祈る。
有島武郎 / 生まれいずる悩み
心から祈った。正確な祈りの言葉こそ持たなかったけれど、彼の心はかたちのない祈りを宙に紡ぎ出していた。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 2 amazon
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朝から晩まで二十日鼠のようにからだを動かしている
島尾 敏雄 / 出孤島記 amazon
いろんなことを考えてみようとしたが、頭の中で何ひとつ形をなさなかった。
村上 春樹「1973年のピンボール (講談社文庫)」に収録 amazon
意識が朦朧としてきて、抛(ほう)り出された手鞴(てふいご)のようにしぼむ
徳永 直 / 太陽のない街 amazon
重藤が一つ 咳 をして、湯飲み茶碗 を手に取ったので、日下は平成二十七年八月十四日の現実に引き戻された。
翔田 寛「真犯人 (小学館文庫)」に収録 amazon
すみれは話の前後がうまく理解できなかった。彼女はナイフとフォークを宙に止めたまましばらく考えた。
村上春樹「スプートニクの恋人 (講談社文庫)」に収録 amazon
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