シンイチはスカートを静かにめくり指を這わせた。彼の指を濡らした体液はきらきらと光り澄んでいる。
山田詠美「新装版 ハーレムワールド (講談社文庫)」に収録 ページ位置:95% 作品を確認(amazon)
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愛撫(前戯)
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......」 シンイチは指を昆虫の触角のように鋭角にしてサユリの体を撫でた。彼女の吐息がいつのまにか甘くなって来る。この肌はスタンのために自分が蘇生させた絹でできている。シンイチはスカートを静かにめくり指を這わせた。彼の指を濡らした体液はきらきらと光り澄んでいる。それを自分の鼻先に持って行ってみた。その瞬間、シンイチはすべてを悟ったのだった。「して」 サユリは囁いた。「違うんだよ。サユリ。僕と君の間には、丁度、スタンの大......
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愛撫(前戯)の表現・描写・類語(恋愛のカテゴリ)の一覧 ランダム5
(熱いペニスを口に差し込まれて)焼けた石のように舌をただれさせる
村上 龍 / 限りなく透明に近いブルー amazon
サユリは彼の顔の前で足を開いた。彼は、そこに顔を埋め、そのものわかりのよい生き物に、何度も何度も口づけた。たくさんのキスが隙間なく重なり合い、サユリは満足そうに溜息をついた。
山田詠美「新装版 ハーレムワールド (講談社文庫)」に収録 amazon
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「恋愛」カテゴリからランダム5
(カメラ越しに少女に見つめられて)牛河はその少女から目をそらせることができなくなっていた。世界全体がそこでいったん動きを止められたみたいだ。風もなく、音は空気を震わせることをやめていた。(《…略…》少女は去ったが)牛河はなぜか床から腰を上げられなかった。身体が痺れたようになっている。ファインダー越しに送り込まれた彼女の鋭い視線が、行動を起こすのに必要とされる力を、牛河の身体からそっくり奪っていったようだ。(《…略…》少女が見えなくなると、)床を這うようにカメラの前を離れ、壁にもたれた。そして身体に正常な力が戻るのを待った。セブンスターを口にくわえ、ライターで火をつけた。煙を深々と吸い込んだ。しかし煙草には味がなかった。力はなかなか回復しなかった。いつまでも手脚に痺れが残っていた。そして気がつくと、彼の中には奇妙なスペースが生じていた。それは純粋な空洞だった。その空間が意味するのはただ欠落であり、おそらくは無だった。牛河は自分自身の内部に生まれたその見覚えのない空洞に腰を下ろしたまま、そこから立ち上がることができなかった。胸に鈍い痛みが感じられたが、正確に表現すればそれは痛みではない。欠落と非欠落との接点に生じる圧力差のようなものだ。彼はその空洞の底に長いあいだ座り込んでいた。壁にもたれ、味のない煙草を吸っていた。そのスペースはさっき出て行った少女があとに残していったものだった。《…略…》少女に、全身を文字通り揺さぶられていることに気づいた。彼女のみじろぎひとつしない深く鋭い視線によって、身体のみならず牛河という存在そのものが根本から揺さぶられているのだ。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 3 amazon
愛撫ではなく手厚い治療を受けているという感覚。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
わたしはあの人のそばにいて、その身体のどこかにずっと手を触れていたいと望んでいる。それはただの「憧れ」とはちょっと違うものだ。
村上春樹「スプートニクの恋人 (講談社文庫)」に収録 amazon
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