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(女の肉声と月琴の音が耳に残る。波音が)彼には 先刻 から法界節の琴や月琴の 音 に聞えて仕方なかった。波の音と聞こうと思えばちょっとの間それは波の音になる。が、ちょうど 睡 い時に 覚めていようとしながら、いつか 夢 へ引き込まれて行くように波の音はすぐまた琴や月琴の音に変って行った。彼はまたその 奥 にありありと女の肉声を聴いた。
志賀 直哉 / 真鶴「城の崎にて・小僧の神様 (角川文庫)」に収録 ページ位置:40% 作品を確認(amazon)
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耳に残る・音声を覚えている
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前後の文章を含んだ引用
......る近くはかえって暗く、岸から五、六間綱を延ばした一艘の漁船が穏かなうねりに揺られながら舳に赤々と火を焚いていた。岸を洗う静かな波音が下の方から聴えて来る。それが彼には先刻から法界節の琴や月琴の音に聞えて仕方なかった。波の音と聞こうと思えばちょっとの間それは波の音になる。が、ちょうど睡い時に覚めていようとしながら、いつか夢へ引き込まれて行くように波の音はすぐまた琴や月琴の音に変って行った。彼はまたその奥にありありと女の肉声を聴いた。何々して「梅─の─は─な─」こういう文句までが聴き取られるのだ。「奴さんだよう」こんなことをいって下で両手の指先を合せ、中腰で両膝を開き首を振りながら、二、三度......
単語の意味
先刻(せんこく)
肉声(にくせい)
先刻・・・1.さきほど。さっき。
2.その時点すでに事が終了しているさま。すでに。前から。
肉声・・・マイクなどを通さない、直接、人の口から出た生の声。人工的に作り出された音声に対し、人間が出す声。「肉」は、精神に対して、肉体を意味する字。
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少女の声、その残響が、まだうっすらと鼓膜に残っている。
新海 誠「小説 君の名は。 (角川文庫)」に収録 amazon
ナツ先輩の声が耳の中でくるりと転がる。
朝井 リョウ / 僕は魔法が使えない「もういちど生まれる (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
声が耳朶に残った。
松本 清張「点と線 (新潮文庫)」に収録 amazon
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