「ニューギニヤで人間を食ったって、ほんとですか」 「人間か」といって、彼は夢みるように 眼 を空へ向けて、暫く黙っていた。
大岡 昇平「野火(新潮文庫)」に収録 ページ位置:56% 作品を確認(amazon)
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一点を見つめる
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前後の文章を含んだ引用
......ゃ、なまじ戦争を知ってるだけに、冷たいもんだよ。お前もそうやってついてるうちにゃ、どうせその塩もすっかり巻き上げられた上、……まあ、おっぽり出されるのが落ちさ」「ニューギニヤで人間を食ったって、ほんとですか」「人間か」といって、彼は夢みるように眼を空へ向けて、暫く黙っていた。「まさか、ってことにしておこう……そんな話より、面白え話してやろう。ブナから転進の途中のこった。ここよりもっとひでえ行軍だったよ。胸を射たれて、道端まで匍い出し......
単語の意味
暫く・姑く・須臾(しばらく)
暫く・姑く・須臾・・・1.長いと感じるほどではないが、すぐともいえないほどの時間。ちょっとの間。一時的。
2.ちょっと待った!
2.ちょっと待った!
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一点を見つめるの表現・描写・類語(見るのカテゴリ)の一覧 ランダム5
目の前のものをひたすら見つめていた。あまりにも一心に見つめすぎ、視線が彼を突き抜け、どこか遠いところに達しているかのようだった。瞳が焦点を結んでいるのは、彼の背後にある、はてしもないはるかな一点だった。
小川 洋子 / 盲腸線の秘密「口笛の上手な白雪姫」に収録 amazon
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男はただ彼女をひとつの客体として”視”ているのだ。ちょうど船の乗客がデッキから、通り過ぎていく島のかたちを見つめるみたいに。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 2 amazon
目を畳の上に伏せて
有島武郎 / 或る女
その花に何か暗示でもあるらしく、煙って濃い瞳 を研ぎ澄し、じーっと見入った。
岡本かの子 / 河明り
二組の男女の視線が十字にからんで浮いて揺れる
新田 次郎 / 縦走路 amazon
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