ショッキングピンクのTシャツに、短パン、素足に革のサンダルというご機嫌ないでたちでお金をおろしに出かけた。こんな格好で町に出られるめでたい季節は夏だけだ。薄いビニールのバッグに、さいふひとつ入れて歩いていた。
吉本 ばなな「N・P (角川文庫)」に収録 ページ位置:27% 作品を確認(amazon)
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夏
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......。だから何の変化もなく日々は過ぎていった。 その午後、私は上機嫌だった。休みだったので昼まで寝て、洗濯をした。洗濯物を干して、ベランダでまた昼寝をした。そして、ショッキングピンクのTシャツに、短パン、素足に革のサンダルというご機嫌ないでたちでお金をおろしに出かけた。こんな格好で町に出られるめでたい季節は夏だけだ。薄いビニールのバッグに、さいふひとつ入れて歩いていた。 目を開けていられないほどの、ぎらぎらの陽射し! 濃い空の下を歩いているだけで笑みがこみあげてくるくらい楽しかった。 3時を過ぎていたので、キャッシュサービスの......
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