初めはくすぐったがっていたが、そのうちにくすくす笑いが止まった。息づかいが変わった。
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愛撫(前戯)
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愛撫(前戯)の表現・描写・類語(恋愛のカテゴリ)の一覧 ランダム5
彼の親指は丁寧に彼女の下唇を撫でた。彼女は口を半分開いてそれを気持良さそうに受け止めている。そのうちに爪は裏返り、親指の背の全部を彼女の唇に当てて行ったり来たりさせる。まるで弦楽器の弓のように。爪はいつのまにか口紅で染まる。彼の親指全体もやがて赤く塗られ始める。指紋には紅が溜まり、スタンの黒い指には赤い血管が鮮やかに浮き出して来たかのようだった。
山田詠美「新装版 ハーレムワールド (講談社文庫)」に収録 amazon
二人は口をきくこともなく、暗闇の中で時間をかけてお互いの身体を調べ合う。十本の指と手のひらを使って、何がどこにあって、どんなかたちをしているかをひとつずつ確かめる。秘密の部屋で宝探しをしている小さな子供たちのように、胸をときめかせながら。そしてひとつの存在を確かめると、そこに唇をつけて認証の封印を与える。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 3 amazon
彼の愛撫に身をまかせ、その肉欲の時間を楽しんでいる
村上春樹「スプートニクの恋人 (講談社文庫)」に収録 amazon
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(好きな人を想う)彼を無意識に疲れさすその面影
岡本かの子 / 巴里祭
ゆっくりゆっくりと〝の〟の字を描く。乳首の先端の、たとえようもないほど狭い面積の上に、長原はいくつも、何十回となく〝の〟の字を描く。《…略…》長原の〝の〟の字は終って、今度は〝く〟の字だ。それは美登里の右の脇腹付近を何度も往復した。大胆さには、いつのまにか確信が加わっていた。
林 真理子 / ◦最終便に間に合えば林 真理子「最終便に間に合えば」に収録 amazon
邦彦の中では、まち子の小さいけれどぽってりとした唇と、娘のような純情が、日ごとに大きく膨らんできていた。ときおり店に来る端正な容姿の若い娘や、大学のキャンパスですれちがう華やいだ女子大生たちは、まち子と比べると、みなどこかつんと 尖った透明な棒のように思えた。それとまったく異質の、思わず苦笑を誘うほどに愚かな、温かい柔らかいものを、邦彦はまち子の全身から感じ取っていた。
宮本 輝「道頓堀川(新潮文庫)」に収録 amazon
情熱を覚え性欲を覚える
梶井基次郎 / ある崖上の感情
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