川底に知らぬ間に砂が厚く積もっているように、（男への）感情が層を深く支度される

晴れて大人になったという思いがしみじみと迫ってくる

主人の情線（じょうせん）にいかなる響を伝えたか

不思議な力を電気のように感じて

欲望と屈辱とに我が身がずぶ濡れになる

そうすることが我々の目的に沿った行為であるという確信が今ひとつ持てなかった

（スパゲティーは）心もち柔かくなりすぎていたが、致命的なほどではなかったし、それに僕はスパゲティーの微妙なゆで加減を云々するにはあまりにも腹が減りすぎていた。

がんばりすぎて泥だらけ

美酒の誘惑に身を任せて存分に酔う

（酔って寝て夜中に目が覚める）僕は頭を振って目を覚ました。体がしびれ、頭が痛んだ。誰かが僕を氷と一緒にシェーカーに入れて、でたらめに振りまわしたみたいだ。闇の中で目覚めるほど嫌なことはない。何もかもを最初からやりなおさなくてはいけないような気がするのだ。目覚めて最初のうちはまるで他人の人生を生きているような気分になってしまう。それが自分の人生に重なりあうまでにずいぶん時間がかかる。