この梅雨はすべての表面も根も腐らせてしまうほど 陰鬱 なものだ
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 ページ位置:26% 作品を確認(amazon)
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梅雨・夏の雨
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前後の文章を含んだ引用
......らでした。もちろん、彼は今日にいたるまでここには戻ってはいませぬ。とても戻れなかったのでしょう。 梅雨がはじまりました。毎日、途絶えることなく細い雨が降ります。この梅雨はすべての表面も根も腐らせてしまうほど陰鬱なものだと始めてわかりました。部落はまるで死人のように荒涼としています。二人の運命がどうなるかは誰にもわかっていました。やがて自分たちも彼等と同じような取調べを受けるの......
単語の意味
陰鬱(いんうつ)
陰鬱・・・陰気(=どんよりして)で鬱陶(うっとう)しい(=晴れ晴れしない)さま。気持ちがすっきりしてないさま。気分が重苦しいさま。
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(夏の雨)大粒の茹だった雨が屋根瓦を強く叩く
高橋 三千綱 / 涙 amazon
肌に苔が生えてきそうな梅雨寒の午後
倉橋 由美子 / ポポイ amazon
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真夏へ真夏へと潮のように光の波を加えてゆく空の色
中山 義秀 / 醜の花「厚物咲・碑―他六篇 (1956年) (角川文庫)」に収録 amazon
(蛍の群れ)雪みたいに、螢が飛ぶ
宮本 輝 / 螢川「螢川・泥の河(新潮文庫)」に収録 amazon
風鈴が時々ものうく鳴る。
林芙美子 / 新版 放浪記
日中の太陽の放射する炎熱を吸い込んだ山の肌は、夜になってほてりをはきだし
野間 宏 / 顔の中の赤い月「暗い絵・顔の中の赤い月 (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
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