近くで見るご主人は、思っていた以上に小柄だった。キタヱさんと同じように、髪の色がきれいに抜け落ちている。着ているものも全体的に白いせいもあって、やっぱり田舎の道端に祠もなく祭られているお地蔵さんのように見える。
本谷 有希子 / 異類婚姻譚 ページ位置:78% 作品を確認(amazon)
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......「こちらこそ、よろしくお願いします。」と私よりずっと丁寧に頭を下げた。キタヱさんはその隣で、肩から提げたペット用のキャリーバッグを子供のように抱きしめている。 近くで見るご主人は、思っていた以上に小柄だった。キタヱさんと同じように、髪の色がきれいに抜け落ちている。着ているものも全体的に白いせいもあって、やっぱり田舎の道端に祠もなく祭られているお地蔵さんのように見える。「サンちゃん、これが主人のアライくんです。」 キタヱさんはご主人のことをそう紹介した。そしてご主人には、「アライ、これが私の友達のサンちゃん。」と少し荒っぽく説......
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しわの奥に引きこもってしまったような小さな老女
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
薄くまばらになった髪、しみだらけの皮膚、落ちくぼんだ眼窩--そこには容赦なく通り過ぎていった時間の侵食が、川に削りとられた谷間の荒涼たる崖の肌のように痛ましい痕を刻みつけている
日野 啓三 / 抱擁 amazon
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老人は黙って立った。脊が高くちょうど風雨にさらされた山の枯木のような感じがした。
直哉, 志賀「暗夜行路 (新潮文庫)」に収録 amazon
すらっとした面高の、かつては美人だったに違いない老夫人
石井 好子「東京の空の下オムレツのにおいは流れる (河出文庫)」に収録 amazon
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