老人は黙って立った。脊が高くちょうど風雨にさらされた山の枯木のような感じがした。
直哉, 志賀「暗夜行路 (新潮文庫)」に収録 ページ位置:80% 作品を確認(amazon)
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老人
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......、それからサイダーを貰おうか」「お爺さん。お爺さん」婆さんは立って濡れ手を前へ下げたまま老人を呼んだ。「私は手が臭いからお客様に菓子とサイダーを上げて下さい」 老人は黙って立った。脊が高くちょうど風雨にさらされた山の枯木のような感じがした。「菓子と何だね?」「お爺さん、サイダーは俺が持って来る。菓子だけ出しておくれ」車夫はそういい、自身流しの方へそれを取りに行った。「こっちの方が冷えているのかね」......
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しわの奥に引きこもってしまったような小さな老女
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
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鏡に自分の顔が映ったのに気がついて、巻子の話す声に相槌を打ちながら近づいてって自分の顔をじっと見てみた。口元が、こんなにゆるかったか、と思うほどに何かが減っており、思わず顎から頬を手のひらで包むようにして持ち上げて、手を離す、持ち上げて手を離す、を繰り返してると、わたしは母の顔のことを思い出す
川上 未映子「乳と卵(らん) (文春文庫)」に収録 amazon
一日一日生命の力から遠ざかって行く老人
有島武郎 / 生まれいずる悩み
自分をとり巻く若さという硝子のようなもの
伊藤 整 / 青春 amazon
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